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プラネタリウム

季節の星空案内

春の星空

にぎやかな冬の星空たちが西の空にしずむ頃(ころ)、春をつげる北斗(ほくと)七星が北の空高くまでやってきます。
7つの星が水をくむヒシャクの形でならんでいる北斗七星は「大熊座(おおぐまざ)」の一部になります。
北斗七星のヒシャクの柄のカーブをそのまま南にのばしていくと、オレンジ色にかがやく「うしかい座」のアークトゥールスと出会います。
さらにのばしていくと、真珠(しんじゅ)のように白いかがやきの「おとめ座」のスピカにたどりつきます。
この北天から南天にわたる大きなカーブのことを「春の大曲線」といいます。

大曲線の終点から西の小さな四角形のならびは「カラス座」です。
ギリシャ神話では、太陽の神アポロンに仕える銀のカラスを表しています。
南の空にははてなマークを裏(うら)がえしにした星のならびが目印(めじるし)の「しし座」があります。
胸には一等星のレグルスが勇々(ゆうゆう)とかがやいています。
しっぽにかがやくデネボラとアークトゥールス、スピカをむすんでできる大きな三角形を「春の大三角」とよんでいます。

さあみなさん、外に出ておぼろ月夜をながめたり、春の星座(せいざ)めぐりをしたりして、春の宵(よい)を楽しんでみましょう。

おおくま座の神話

カリストは月の女神アルテミスにつかえるとても美しい娘(むすめ)でした。
カリストは毎日アルカディアの野山をかけめぐり、狩りをしていました。
ある日、大神ゼウスは天上から美しいカリストの姿(すがた)を見つけると、そのあまりの美しさにカリストのことをすきになってしまいました。

ゼウスはアルテミスに変身(へんしん)してカリストに近づき、カリストはいつしかゼウスの子を身ごもっていました。
しかし、それがゼウスの妃(きさき)であるヘーラの耳に入ってしまったからさあ大変(たいへん)。
へーラは美しいカリストを一頭の熊(くま)の姿にかえてしまいました。
カリストは自分の姿をはずかしく思い、深い森の奥(おく)に身をかくしてしまいました。

熊の姿にかえられてしまったカリスト。
そして、カリストの子供(こども)はどうなってしまったのでしょう?

熊の姿にかえられてしまったカリストは深い森の奥に身をかくし、それから何年かの月日がたちました。
カリストの息子アルカスは、立派(りっぱ)な若者(わかもの)に成長(せいちょう)していました。
ある日、アルカスが山の中へ狩りに出(で)かけると、一頭の大きな熊に出会いました。
この熊こそ、アルカスの母カリストでした。
カリストは立派に成長したアルカスを見ると、思わず自分が熊の姿であることを忘れ、アルカスのもとへかけよっていきました。
アルカスは自分の元にかけよって来る熊を見ておどろき、弓に矢をつがえて熊の胸(むね)にねらいをつけました。
この様子を天上から見ていたゼウスは、アルカスに自分の母親をころさせまいとつむじ風をおこし、アルカスもまた熊の姿にかえて、二人共、天高く放り投げてしまいました。

こうしてできたのが、おおぐま座とこぐま座です。
星座(せいざ)絵の熊のしっぽが長いのは、ゼウスがあわてて熊のしっぽをつかんで、天に投げたので、長くのびてしまったとつたえられています。

おとめ座の神話

農業の神デーメーテールには、ぺルセポネという美しいひとり娘(むすめ)がいました。
ある日、ペルセポネは草原で花つみをしている時、遠くの方に1本のめずらしい花がさいているのを見つけました。
とてもきれいなその花に心をうばわれたペルセポネは、その花をとろうと両手を伸ばしました。
すると、突然(とつぜん)大地がさけ、その中から馬車をひくひとりの男が出てきました。
そして、すばやく馬車からおりてきて、ぺルセポネをだきかかえると、あっという間に地面の中へ消えていってしまいました。

ぺルセポネがさらわれたことを知ったデーメーテールは、一睡(いっすい)もせず飲まず食わずでペルセポネをさがしあるきました。
10日たったとき、冥土(めいど)の神プルートンがぺルセポネを后(きさき)にするために、さらっていったと聞きました。
デーメ−テールはいかりと悲しみのために、洞穴(どうくつ)にとじこもって姿(すがた)をあらわさなくなりました。
農業の女神であるデーメーテールが洞穴にもぐって姿を見せないため、地上の草木はすっかりかれ、人々の食べるものも少なくなってしまいました。

心配した大神ゼウスは、このままでは生き物がみんな死んでしまうと思い、プルートンに、ペルセポネを母親のデーメーテールのところへ帰すよう命じました。
プルートンは仕方なくペルセポネを帰すことにしましたが、その時、彼女(かのじょ)にあかくうれたザクロの実を4つわたしました。
ペルセポネを乗せた馬車は風のように走って、デーメーテールのもとへ向かいました。

やがて、目の前に地上の光が見えてくると、ペルセポネは安心してプルートンからもらったザクロの実を食べてしまいました。
ペルセポネがデーメーテールの元へ帰ってくると、かれていた草木もみるみるうちに緑色にかわったのです。
しかし、ペルセポネからザクロを食べてしまったことを聞いたデーメーテールはがっかりしました。そのザクロの実を食べたものは、かならず地下の国へもどってこなければならなかったのです。しかし、ゼウスの力で1年のうち4ヶ月間はプルートンと、のこりの8ヶ月間はデーメーテールとくらすことになりました。
ペルセポネがプルートンとくらしている4ヶ月間は、デーメーテールは洞穴にもぐってしまうのでこの間だけは地上の草木はかれ、「冬」がやってくるのです。

アポローンのうそつきカラス(カラス座)

カラスは昔、人の言葉を話し、羽も今のように黒くなく銀色でとても美しかったそうです。
日の神アポローンがかっていたのも、そんなカラスでした。
ところがこのカラス、たいそううそつきでいつもアポローンにしかられてばかりいました。

ある日、アポローンはこのカラスに鉢(はち)をわたし、これに水をくんでくるように言いつけました。
カラスはさっそく鉢を持ってとんで行きましたが、泉(いずみ)まで来てみると、1本のイチジクの木がはえているのを見つけたのです。
カラスは大(おお)よろこびで実をくちばしでつついてみましたが、どうもあまみが足りないようです。
「まだ早いんだな、じゅくすまで待つとするか。」
そう言うとカラスはアポローンにいいつけられたこともわすれて、いねむりを始めました。時々、目をさましては実をつついているうちに、やっとあまくなったので、カラスはお腹(なか)いっぱいイチジクの実を食べたのです。

食べ終わってやっと思い出したのが、アポローンのいいつけでした。
「まずい!今頃(いまごろ)かえったらしかられるな。」ふとあたりを見ると、泉から一匹(いっぴき)のミズヘビが、はい出てくるではありませんか。
「しめた!あのミズヘビのせいにしよっと。」
カラスはそこでミズヘビをくわえると、急いでアポローンの所へとんで帰りました。
「おそくなりました。実はこのミズヘビのやつがじゃましたもんで・・・。」
でも、そんなうそが見(み)ぬけないアポローンではありません。
「このうそつきめ!!」アポローンはおこってどなりつけました。
そしてカラスの羽の色を真っ黒にかえると、声もしゃがれ声にして人の言葉も話せなくしてしまったのです。

それでもこのカラスは、長くアポローンにつかえた鳥ですから、死ぬと天にあげられて星座(せいざ)にしてもらいました。